身のうさを思いしらでややみなまし 連休明けのつらさなりせば
 
うましかの歌とて詠み侍りける。
つーか終わってる。
 

世界を護る人たちの一員となった巻き込まれ型主人公の次なる事件は、高飛車お嬢様&狂犬系不良少年の形でやってきた。王と守護士の関係はいかにあるべきかを問う超常バトル第2巻。
 
ずいぶん手堅いやり方で来たなあ、というのが第一印象。身分違いの恋を描いた航空冒険ものの前作と比べると、題材も手法もかなり一般的。世界を守るために戦うコンビ系能力バトル。王道ですな。ちと旬を過ぎたような気もするが。
良くも悪くも安定してる。売れる要素をガッチリ捉えて上手に料理して、買って損したと思わせないための努力を惜しみなく注ぎ込んでいるのがよく解る。まずい所を挙げろといわれたら、エクスクラメーション使いすぎなのが気になった程度かな。確かにこれは売れる。ていうかスカイワードってそんなに売れなかったのか。そういや俺も3巻は買ってないな。
逆に言えば、この本でなければダメってところがあんまりない。強烈に印象付けるものがない。そこらへんは手堅さの裏返しってことで仕方ない。素直にキャラ萌えするのが吉。委員長かわいいよ委員長。
 
 
最近の能力バトルでは、負けると死ぬんじゃなくて存在を抹消される例が多い。大は世界全体から小は一個人まで、存在を忘れ去られるとか存在自体なかったことにされるとか。最初に言い出したのは誰なのかしら〜……アカシックレコードいじってたDあたりかな。仏教の成立まで遡れるネタで、物語に導入し始めた大元はSFのニューウェーブあたりだと思うけどまあどうでもいいか。
これって究極の殺しかただよね。まさに全否定。
罪を償わせることも罰を負わせることもなく、お前は最初からいなかったんだと、存在自体が間違ってたんだと言う。そうしなければ負けていて、敗者は存在を抹消される。
こういうのが普通に受け入れられる世の中って寂しいなあ、と思うのです。
なんか考察すりゃ格好つくんだけど俺は感想を書く人なので思うだけ。