狼と香辛料 (2) (電撃文庫)

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)

中世の行商人と美少女人狼の綱渡り商売道中、第2巻。
商売の描写が中世の西欧っぽいのはグッド。商人を正面から描くライトノベルってあんまりないしね。金融制度が確立しきってない舞台でコスい騙しを平然と入れてくる取引先。無法の代名詞として名高い傭兵隊を避けて通る人々。通行税を物納で徴収する関所。そんなディティールを積み重ねていかにも中世な雰囲気を持たせてる。
主人公とヒロインもはぐれ者同士の微妙な関係でちょっと和みつつ気のおけない様子が好印象。泥くさいイラストがかえって相性良く感じる。1巻より緊迫感が弱いような気もするが、そのへんは読者の好み次第かと。
コンゲームとしてはちと弱いかな。主人公がお人よしなのはよろしいが、抜け作なのはよろしくない。仕掛けも1巻よりは小じんまりというか零細企業っぽい。商売で追い詰められた挙句のいっぱいいっぱい感は良く出てるw
派手な演出は全く無いが、素直に楽しめます。普通にお勧め。