富士ミスの連続キャンペーン第一弾の4冊を読了。
「初体験(はぁと)Project開幕! L・O・V・E!の虜 はじめてをあなたに…」
相変わらず最高にイカレたコピーセンスだ。その力、さくらんぼキッスに迫るやも知れぬ。
 

セカイのスキマ (富士見ミステリー文庫)

セカイのスキマ (富士見ミステリー文庫)

部活動必須の学校に入り、幽霊部員を黙認してくれる部を捜す鬱屈気味の主人公が活動内容不明の「四つ辻の会」に巻き込まれ、妖怪話の解決に乗り出すが……
 
今回のイチオシ。妖怪を退治するためのロジックを二重構造にすることで、表の主人公と裏のヒロインが上手くかみあわされてる。ストーリーも簡にして要を満たし、続きを読みたくさせてくれる。2巻が出るなら絶対に買い。
 
さよなら、いもうと。 (富士見ミステリー文庫)

さよなら、いもうと。 (富士見ミステリー文庫)

家に帰ると、交通事故で先日死んだ妹が何故か生き返っていた。
書き続けると願いがかなう日記に「お兄ちゃんと結婚したい」と綴っていた妹が。
 
ある意味、いつもの新井輝
訳も分からず起こる不思議現象、ローテンションな主人公、リビドーをタブー視せず法律とは別の判断基準を持つ女の子。ムッツリスケベな展開。
ROOMを人様に勧めるのはリスクが高いが、こっちは普通に勧められる。これが気に入ったらぜひ他の新井輝作品もどうぞ。
 
うれしの荘片恋ものがたり ひとつ、桜の下 (富士見ミステリー文庫)

うれしの荘片恋ものがたり ひとつ、桜の下 (富士見ミステリー文庫)

一人暮らしのために寮生活を始める主人公が入寮直前に出会った少女は、桜の樹の下で倒れていた。まるで桜の精のように。
 
どうも中途半端な印象。何が起こるのも唐突な感じで、人物相関の説明は舌足らず、リドルの存在意義がいまいち不明、各人とも前フリ無しで行動を始め、その結果も納得しづらい。幻想には程遠く、青春ほど生々しくはなく、謎解きには物足りない。
(自主規制)があってなお高校生と大学生の男女が同居する寮が存続してるのが本作最大の謎ではなかろうか。
 島ひとつまるまる女子校の中高大一貫教育機関に入学した中一少女が拾った魔法の校章を巡って、様々な騒動が巻き起こる話。
 
「ドキッ! 女だらけの蓬莱学園 指輪もあるよ」
それだけ。マリみて風味な女子高設定の蓬莱で、おばかな体育会系少女なフロドが、誰をも従えるかわりに誰もが独占を望むようになる魔力を持つ校章を、全校支配を目論む完璧超人を向こうに回して、モルドールならぬ旧生徒会室に持ってって封じるんだって。
直感と本能だけが行動原理で何にでも反抗するっていう主人公のスタイルが個人的に大嫌いなのを差し引いても、ちょっと弁護のしようがない。
買って損した。

 
関係ないが、主人公振り回し系の年上お姉さんがトレンドなの?
秋子さんと晴子さんのどっちをとるかと問われたら迷わず秋子さんを選ぶ俺にとっては、冬の時代到来のやかーん。