神曲奏界ポリフォニカ ミッシング・ホワイト

ブランカは、君をだましてるんだ、スノウ」
「わたしに嘘を吐くのが、そんなに楽しいか!?」
「や、やめろ、スノウ。それ以上、その言葉を口にするな!」
 
「──わたしは、おまえとの契約を解除する!!」
 
「あるべき場所に帰れば、こんどこそ、僕は本当の幸せを手に入れることができる。それは、ここじゃない。世界は僕を愛さなかった。僕もだ。そんな世界など、いらない!」
 
「ミナギ、たしかに世界はお前を愛さなかったかもしれない。おまえもまた、世界を愛さなかった。だが──お前を愛するのは、いつだって世界じゃない。人だ。人のぬくもりなんだ、世界なんかじゃない!」
 
理想郷など存在しない。全ては自分次第。誰かを憎むのも、傷つけるのも、傍らにあった幸せを壊すのも、全部。
失ったものは戻らない。形あるものも、見えないものも、捨てたものも、奪われたものも、全部。
そんな当たり前のことがわからないから、全部が終わった後に後悔する。楽なほう、気持ちいいほうに流れる。そしてまた後悔する。全ては自分次第だと気付く日まで。
そんな当たり前の話。