D&Dリプレイ

D&Dリプレイ3若獅子の戦賦-雷鳴山編 (HJ文庫G)

D&Dリプレイ3若獅子の戦賦-雷鳴山編 (HJ文庫G)

ロードスリプレイでD&Dに憧れを抱いていた俺は、AD&Dを1回だけプレイした時の印象でTSRを毛嫌いするようになった。
キャラシートには鉄棒曲げだの幻影耐性だの一体いつ使うんだか解らんステータスがいくつも並んでいるが、キャラクターの多様性というものは全然なし。背景世界ごとにローカルルールが山ほどあっても実質は地図が違うだけ。豊富なデータであらゆる行動をフォローできるような気にさせておいて、実際の行動はえらく制限を課せられる。そして戦闘はルーンクエスト大好き野郎をして音を上げる煩雑さ。そりゃもう一発で嫌いになりましたとも。
その悪印象を、このリプレイが見事に払拭してくれた。シンプルなコアルールに戦術とロールプレイのバリエーションをもたらすギミックが満載されていて、俺が旧態依然と思っていたプレイスタイルの中でキャラクター達は自由闊達に暴れ回っている。俺の知っているD&Dとは全くの別物だった。目から鱗とはこのことだ。
これに触発されて、3.5版と4版のプレイヤーズハンドブックを買ってみた。まさに俺の知らない世界。3.5eのオビにある「ダンジョンズ&ドラゴンズを知らずして、ファンタジーを語ることなかれ!」というアオリも今なら頷ける。俺みたいな半可通や洋物アレルギーで食わず嫌いをしている人にはこのリプレイをぜひ読んでみてほしい。