エスケヱプ・スピヰド

こないだ衝動買いしたS.L.A.I.をセーブしたあと気が付いたが、PS1用のメモリーカードがどれも使えなくなってるっぽい。かろうじて生きてるカードにつっこんどいた蒼天のセーブデータが、数ヶ月で揮発した。俺の岡部隊長を返せぇぇぇええああああ!!


上のS.L.A.Iは電撃の缶詰に掲載されたエッセイでファントムクラッシュらしきゲームを取り上げてたので、ちょっとプレイしてみたくなって購入。ファントムクラッシュは無印の箱を持ってないのでスルーしてたが、スピーディでスタイリッシュなロボゲーらしいので興味はあったのだ。で、続編のS.L.A.Iに手を出してみた。
操作はテンポいいし画面はスムーズだし、戦闘はアーマードコアよりやりやすい。サイバーパンクな小ネタも満載。「ゲームにならねーだろ」と想像した熱工学迷彩もきっちり機能していて、限りなく透明なのにレーダーには引っかかるので近くに敵がいることはすぐ判るし動けばバレやすいという絶妙なバランス。しかし、バトルロイヤル形式で始まるのでランカーが出てくるまで機体が保たない。初心者は穴熊を決め込むのが有利な感じなのがガッカリではあるが、腕自慢が競い合う通信対戦ゲームとしてはかなりいいものだと思う。とっくに通信環境終わってるけどね。箱丸のXBLAとかで出れば結構人気出るんじゃないだろうか。
ただ、前作から数十年後の世界には、エッセイの主が愛したであろう廃墟の雰囲気は微塵も無い。町外れのスクラップ置場や廃工場で遊んだことがある人なら、同じことをアミューズメントパークでやってもあんまり楽しめなかった経験があるはず。そういうフレーバー的な世界観を経験できなかったのはちょっと残念。
むしろ今から旧箱買うのもアリかもしれん。メタルウルフカオスジェットセットラジオフューチャー、パンツァードラグーンオルタ、ムラクモあたりは再販もされなさそうだし、やっておきたいところ。


エスケヱプ・スピヰド (電撃文庫)

エスケヱプ・スピヰド (電撃文庫)

上記のエッセイの主の本。
史上最強の戦術兵器に制御中枢として搭載された少年と、戦災孤児の少女が、戦争で破壊しつくされた廃墟の中で目覚める。兵器には無駄な要素と切り捨てていた周囲の大人たちや少女の友人との交流、戦闘には全く寄与しない挨拶や食事の意義。それらの意味を理解しはじめた少年が、自分より圧倒的に強い元指揮官と対峙しなければならなくなった時、少年は迷わず「無駄な要素」を切り捨てる。それが弱さの証だと気付かずに───
エッセイに惹かれて、久しぶりに電撃の新人を買ってみた。こういう王道のボーイミーツガールは大好き。今を生きる大人たちも、過去の戦友たちも、みんな味がある。萌えとかエロとか抜きだって、ライトノベルは楽しい。そんなジュブナイル魂あふれる一作。
追記:俺は村正やってないのでそこはノーコメント。